ありのまま、プロセスをそのまま味わおう
質問です。楽しみの感情とはなんでしょうか。
おいしい料理を作って食べること、面白いドラマを見ること、好きな車を乗りこなすこと、何かを作って完成させること?それぞれ正解です。
でも実はそれらをまとめると…自分の力で何かを成し遂げたときに、俺もやるやん。私もできるやん!と、自分の能力に目覚めることであると言えます。小さなことでも何かを成し遂げたときに、ふわっと心が浮き上がる瞬間のこと。
それは大人も子供も一緒です。本質的に、大人と子供の差はありません。楽しいことをするために人は生きています。お金稼ぎたい、旅行に行きたい、おいしいもの食べたい、快適な家に住みたい。もっといえば人の役に立ちたい、でかい仕事がしたい、宇宙飛行士に選ばれたい!
これ全部「体験」なんですね。楽しい体験。ふわっと心が浮き上がる体験。この体験こそが子育てを楽しむためのキーワードなので、絶対覚えてください。
体験重視で物事を組み立てるようにします。楽しい時間をどれだけ持てるか。それは親も子供もです。楽しい時間、イコール、プロセスです。はい出てきましたプロセス。これめちゃくちゃ大事です。結果だけを見てしまうと、そのプロセスが面倒くさくなってしまいます。
例えば旅行に行った際に、一番もったいないのはその道中を楽しめないこと。目的地に向かうクルマや船、飛行機の中でその移動時間をいかにうまく過ごすか、旅情を味わいながら目的地に向かうかで、旅行そのものの価値が変わってしまうと言ってもいいぐらいです。
目的地に行くだけなら、極論すれば旅の意味はないかもしれません。どうせ景色なんてどこもそんなに大して変わらない。山か海があって、なんか変わった岩があって、もしかしたら街や人々、動物なんかもいるでしょうけど、別世界、というのはそんなに多くないです。で、それが例えばどこでもドアで、バン!と瞬間移動できたとしましょう。それは確かに猛烈に便利でしょうけど、プロセスをすっ飛ばした旅そのものです。そこに利便性以上の価値はなくなります。
さらに飛躍すると、人はみんな最終的には死ぬのです。死んでしまった後は、それまでにどこに行ったとか何したとか、特にどうでも良くなります。その人の人生の終わりこそが極端で究極的な最終的結果なのです。だから、結果はもはや物事が終わってしまった後の、勲章のようなものです。それそのものには、特に意味はないのです。途中のプロセスを象徴して初めて、結果には意味が宿ります。
だから、どんな結果を望むにせよ、そのプロセスを楽しまなければ、人生を楽しんでいないことになります。人生は旅だとよく聞きますが、その心は、プロセスを楽しもうってことです。道中いろいろ寄り道しながら、いろんなものつまみ食いしながら美しい景色を見なさいよってことです。